【プロセス参照モデルとは】
欧米のグローバル企業は、ほとんどが自社専用の標準プロセスを持っており、これによって企業活動のグローバルな統制をはかっています。たとえば、P&G社ではグローバルな経営判断のために、自社の3層アーキテクチャを構築しています。最下層がグローバル標準の諸コード体系、次の階層がグローバル標準のビジネスプロセス、この2つから正確なデータを入手してグローバルな意思決定を行うという訳です。(これは2000年前の状況ですので、今はさらに進化しているでしょう)
広く一般的に利用できるプロセス参照モデルとは
1.ビジネスプロセスに関する世界のナレッジを集めたMECEな(モレたり重複していない)標準部品
ビジネスプロセスを網羅して、ビジネスプロセスの標準的なプロセス機能、インプットやアウトプット、業務ルールなどを階層的に定義したもの。ビジネスプロセスの記述、分析、設計の際に、この部品を組み合わせて使います。
2.ビジネスプロセスの調査や分析をする際に、仮説として利用する
たとえば、現状プロセスを調査する際に、プロセス参照モデルを仮説として利用し質問することで、正確かつ短時間で調査できます。その際に、現状で「存在しない」部品も明確になります。現状調査は、ただ現状だけを忠実に記述すればよいというものではありません。
3.関係者の共通理解のためのコミュニケーションツール
関係者のコミュニケーションツールとしても利用できるものです。特に、日本企業は、事業部や工場が異なると、用語とか意味が異なったりします。たとえば、HPとコンパック社の合併の際には、プロセス参照モデルSCORを利用して両社がコミュニケーションし、プロセス統合を果たしました。
4.プロセス参照モデルに沿って、レベル1~4まで階層的に調査・分析・設計できる
目的に対応した詳細さ(プロセス階層レベル)で、かつ効率的に調査・記述・分析・設計できます。これによって、複数人で分担しても粒度(詳細さ)を揃えられます。事業戦略は何段階かの階層を経て、現場が実行するプロセスまでに落とし込めます。
特定非営利活動法人バリューチェーンプロセス協議会では以下のようなプロセス参照モデルを調査・研究しています。
【プロセス参照モデルの概要紹介】
SCOR (Supply-Chain Operations Reference)
CCOR (Customer-Chain Operations Reference)
DCOR (Design-Chain Operations Reference)
PLCOR (Product Lifecycle Operations Reference)
PCF (Process Classification Framework)
VCPC会員の方はサプライチェーンカウンシルが提唱するSCORモデルを使って、回転寿司店の仕事を表現した回転寿司店で学ぶSCORの基礎知識をダウンロード出来ます。
【VCPC公開コンテンツ】
上記のSCOR、CCOR、DCORなどのプロセス参照モデルは海外で開発されたもので、企業連携のためにプロセス階層レベル1~3までを定義したものです。
これを参考に、日本のプロセスデザインエンジニアリング社が開発した業務参照モデルは、マーケティング、人的販売、商品企画・開発、設計・試作・設計修正、サプライチェーン計画・調達・製造・出荷、顧客サービスを対象領域として、そして、レベル1~3だけでなくレベル4までを定義したものです。
VCPCでは、業務参照モデルのうちレベル1~3について、会員向けVCPC公開コンテンツとして提供しております。