Process Classification Framework
概要
米国APQC(American Productivity and Quality Center) が開発した、プロセスベンチマーキング用プロセス分類のプロセス一覧がPCF(Process Classification Framework)です。
現在、Excelで共通版のVersion 7.0.5が提供されています。これ以外に、日用品、自動車、教育、放送、 銀行、航空宇宙防衛、通信、電力、石油下流、石油上流などの業界・業種版があります。
企業のほぼ全業務をカバーしてます。ただし、PCFにはプロセス名があるだけで、プロセス機能やインプット・アウトプットなどのプロセス構成要素は定義されていないので、厳密にはプロセス参照モデルとはいえません。PCFに、これに、SCOR/DCOR、業務参照モデルなどを組み合わせれば、プロセス名だけのPCFをより詳細化できます。
モデルの対象領域
経営のタテの機能として戦略立案、戦略計画、計画管理、業務実行まで、ヨコの機能としてサプライチェーンやナレッジマネジメントまで含んで企業の全業務にわたっています。したがって、プロセス参照モデルがカバーしていない対象領域に対しても利用できるという利点があります。
モデルの構成要素
■プロセス一覧
業界・業種別に4階層のプロセスの一覧があります。ただし、インプットとアウトプットが定義されていないので、厳密な意味でのプロセス階層レベル(粒度)ではありません。
基幹業務プロセス
1.0 ビジョンおよび戦略の開発
2.0 製品およびサービスの開発とマネジメント
3.0 製品およびサービスのマーケティングと販売
4.0 製品およびサービスの納入
5.0 顧客サービスのマネジメント
支援業務プロセス
6.0 人財の開発およびマネジメント
7.0 情報技術のマネジメント
8.0 財務資源のマネジメント
9.0 資産の取得、構築、およびマネジメント
10.0 環境衛生および安全(EHS)のマネジメント
11.0 外部との関係のマネジメント
12.0 ナレッジ、改善、および変更のマネジメント
■プラクティス (Practices)
あくまで、プロセス分類が目的なので、SCORのようにメトリクスやベストプラクティスはありません。
活用ケース
欧米企業では、プロセスベンチマーキングとして、企業間のベストプラクティスベンチマーキング、そして、企業内のインターナルベンチマーキングにPCFを使います。ビジネスプロセス自体が「見える化」されていない、日本企業の場合には、これから整備すべきビジネスプロセスを洗い出すのに活用できます。
開発元、入手方法
PCFを開発した米国生産性品質センター(APQC:American Productivity and Quality Center)は、世界最大のナレッジ・マネジメント研究機関と呼ばれ、ベンチマーキングに関しての最先端機関。
https://www.apqc.org/pcf (ダウンロードページ)