【概要】
『IoT、AI、アナリティクス等の技術は意思決定プロセスをどう変えるか』
~バリューチェーン上の意思決定プロセスへの攻めのICT~
米国では3年前から、攻めのICT投資が従来の守りのICT投資を上回ってきています。前者の対象分野は、後者のサプライチェーンの実行系プロセスとは異なり、マーケティング・人的販売、商品企画・設計・開発、顧客サービスという大半が意思決定系プロセスとなります。
本年1月には、IBMワトソン事業部の林克郎氏からAI動向と適用事例をお話し頂きました。9月は、IoTと連携した各種設備の運用制御や改善保全のために、どのように人間の認知を含んだ意思決定プロセスを設計・構築するか、その考え方と最新事例をご紹介します。
プラント関係の話が多いと思わるかも知れませんが、意思決定プロセスとレジリエンス(注)を持つ新たなビジネスモデルという観点は、プラント以外にも通ずるものです。
(注) レジリエンスとは、「回復力」や「復元力」という意味。
【開催要項】
日時: 2017年9月22日(金)13:00-17:00(12:30受付開始)
場所: (株)日立ソリューションズ東日本東京事業所(
川崎市川崎区駅前本町12-1(川崎駅前タワー・リバーク)
http://sasp.mapion.co.jp/b/hitachi/info/BA850275
JR川崎駅 徒歩2分
京浜急行線 京急川崎駅 徒歩2分
参加費:VCPC会員:無料、 一般:5,000円
(APICSコミュニティ,SSFJ,IIBA,BMIAの会員の皆様も参加無料)
その他:ITCA後援セミナー(4時間を1ポイント換算)
問い合わせ先:特定非営利活動法人バリューチェーンプロセス協議会事務局
TEL: 03-5742-5528
E-mail: info@vcpc.org
【プログラム】
『IoT、AI、アナリティクス等の技術は意思決定プロセスをどう変えるか』
~バリューチェーン上の意思決定プロセスへの攻めのICT~
■13:00-13:15 【イントロダクション】
「意思決定プロセスと攻めのICT」
バリューチェーンプロセス協議会理事長 渡辺和宣
【要旨】企業全体プロセスを「見える化」し、大きなボトルネックを特定すれば、その特徴に応じた最適のICTソリューションとして、IoT、アナリティクス、AI、暗黙知の形式知化を選択できます。決してICTソリューションが先ではありません。
■13:15-14:05 【講演1】
「GEとIoTの最新動向」
Baker Hughes, a GE company 田邊悟様
GEデジタル 金子亮様
【要旨】プラント設備の信頼性の維持向上には、適切な設備保全戦略が求められ、かつ継続的な見直しが必要となります。安全性を担保した産業IoT/AIの活用の重要性は高まっており、本発表では、GEが推進するインダストリアルインターネットや、PREDIXプラットフォームを基礎にAPM(アセットパフォーマンスマネジメント)の機能とセンサーデータプロセスについて説明し、プラント設備の柔軟な運用と保全業務の新たな改善プロセスについて考察します。
■14:05-14:20 【講演2】
「OMG仕様のDMNの詳細」
株式会社KBマネジメント代表、IIBA日本支部理事 清水千博様
【要旨】意思決定プロセスを記述するのに、OMGが制定したDMNが有用となります。その内容を解説します。
■14:20-15:10 【講演3】
「DMN V1.1準拠のモデリングツールを使用した具体的な意思決定モデリング事例」
ブレイズ・コンサルティング株式会社代表 酒匂秀敏様
【要旨】
疾病の発症リスクスコアリングモデル、事業性評価(APローン)モデル、これらの事例などにおけるプロセス展開、ルール/デシジョンモデリング・ステップとオペレーションとマジメント管理を紹介。意思決定マネジメントで継続的な改善、最適化でいかに価値を上手く引き出せるか、これをICT化することで継続型の新たなビジネスモデルを産み出します。
(休憩 10分)
■15:20-16:10 【講演4】
「リスク対応能力としてのレジリエンスエンジニアリングとSafety-Ⅱ」
~安全と組織マネジメントの新パラダイム~
東北大学名誉教授、株式会社テムス研究所代表 北村正晴様
【要旨】
現代社会の基盤である社会技術システムは大規模化・複雑化を続けています。この安全性と動作の継続能力,さらには大規模外乱への耐性と事後の復旧能力までを統一的に扱う方法論として、レジリエンスエンジニアリングが注目を集めています。この方法論の概要、およびその実装を通じて実現される拡張された安全概念であるSafety-Ⅱについて事例を紹介しつつ解説します。
■16:10-17:00 【講演5】
「IoT/AIを利用した運用制御」
日本電気株式会社 大石高至様
【要旨】
IoT/AIの普及は運用制御の現場に大きなインパクトと変化をもたらします。ここでは、レジリエンスエンジニアリングや確率統計・制御理論を下敷きにして、新しい運用制御プロセスの定義に挑戦します。説明を具体的なものとするために、発表者の趣味である「錦鯉池の運用制御」の実際を通して、数式のない簡便な説明を試みます。運用制御プロセスを定義することにより、サプライチェーン、デザインチェーンに次ぐ第三のバリューチェーンであるコントロールチェーンの様相も徐々に浮かび上がって来ており、今後の議論の一助になればと期待しています。
開催終了いたしました。